シマウマ de 考察

海外駐在5年目突入のリーマンが書くブログ。最近はThe Economistの記事を中心に書いてます。

ニューヨーク滞在2年を経て考えたこと

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ニューヨークに来てから2年が過ぎた。渡米前に考えたやりたかったことリストはほぼチェックを入れることができた。スポーツだと、テニスのUS Open、MLBNBAやNHLの観戦は完了。ミュージカルやジャズ、音楽フェスにも行くことができたし、好きなバンドのライブにも行くことができた。観光がてら自由の女神ももちろん見た。ステーキやベーグルも食べた。

何もせずに過ぎて行った

一方で、居住者としてのニューヨークは何も経験できていないと感じる。街角で旅行ツアーの勧誘を受けることはなくなったし、短期間の旅行者では経験できないようなことはできているけど、それでも日本で暮らしていた高円寺のように行きつけの場所ができたわけでもなければ、現地アメリカのソウルメイトができたわけでもない。自宅からマンハッタンが電車で1時間行ったところにあるのもひとつの原因だろう。

海外で生活すること

外国に住んだからといって何も変わらない。日本にいた頃と同じ。2年間で知ったことや学んだことは確かにある。特にコミュニケーションの取り方は変わったと思う。日本にいる頃よりもはるかに具体的に表現するようになったし、逆に具体的なことを聞かないとムズムズするようになった。日本ではまず会ったことのない国の人と話すことで得られることも多い。コロンビア出身の子と「国は軍を持つべきかどうか」という話をしたのは面白かったし、フランス人と学校教育について話したことも興味深かった。でもこれは知見を広げただけであって、その瞬間から本質的な部分が変わったかというと、そんなことはない。

そういった知識や経験を手にしたとしても、普段の生活に変化はない。早起きできる人は早起きできるし、毎日コツコツ勉強する人は勉強するし、しない人はしない。行動力のある人は行動力があるし、ない人はない。それはどこにいても同じ。日本にいようが、アメリカにいようが、シンガポールにいようが、オーストラリアにいようが。

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やりたいことをやる

結局は自分が行動して変えていかなければならない。怖いことや恥ずかしいことに直面するだろうが、それでも勇気を持って行動しなければ。その行動の積み重ねがきっと本質的な部分も変えていくんだろう。美人のとなりに座れる人は、美人に告白した人だけなのである。やりたいことをやってる人は、やりたいことに挑戦した人だけなのである。

Beer at Pier

8/25 (Sat.)の仕事終わりに久しぶりにマンハッタンで飲んできた。
飲んだ場所が夏っぽさを感じさせてくれる素敵な場所やったんで、
とりあえずまとめておく。

Pier 66 Maritime
夏シーズン限定で登場。
ミッドタウンウエスト付近のハドソン川沿いにあるバージで
お酒やフードを楽しむことができる。
ここから眺めるサンセットも綺麗やったし、
バージ内の雰囲気もグランピングしてるみたいで良かった。
フードは大したことはないので、
どこかでお腹を満たしてから行くといい。

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読書猿氏の説明する「フォーマルな文章に磨き上げる4つの技術」を試す

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文章を書くのが下手だ。

自分の考えを論理立てて表現できないのが原因だとずっと思っていたが、それ以外にも理由があることに気づいた。語彙力が圧倒的に足りてないのだ。

語彙力が貧しいためインフォーマルな文章しか書けない。そのため、自分の文章を見返すと、具合が悪くなるくらい幼稚な文章に思えて悲しくなることが。だから余計に文章を書くのが嫌になる。文章を書かなくなると、もちろん上達はしない。だから下手なままなのである。

意気消沈している自分に救世主が現れた。読書猿氏のブログにあるこちらの記事であrる。

readingmonkey.blog45.fc2.com

この記事では、インフォーマルな表現をフォーマルな表現にする具体的な方法を教えてくれている。具体的に書かれているので実用的であり、それだけで目から鱗なのだが、さらに感動したのは、表現を磨き上げることによって思考の解像度も高めることができるという点だ。

読書猿氏曰く、インフォーマルな表現をフォーマルにしていくのに必要なことは、主張を特定化して厳密化していくことであり、そのプロセスをたどることによって、考え自体も洗練される、とのことであった。具体的な方法は以下である。

 

1. 動詞・形容詞の特定化

広い意味で捉えることができる表現を特定化する。たとえば「思う」にしてもさまざまな「思う」がある。フォーマルな表現ではこの「思う」を特定化して、より狭い語にする必要がある。

冒頭の文章の「思う」をこの方法で置き換えると、このようになる。

自分の考えを論理立てて表現できないのが原因だとずっと思っていたが

自分の考えを論理立てて表現できないのが原因だと決め込んでいた

まだまだ気の利いた表現ではないが、「思う」よりはマシである。この作業を繰り返し行うことによって、思考の解像度を上げていけば、いつか気の利いた表現ができるようになるだろう。

 

2. 動詞、形容詞の名詞化と名詞の限定化

動詞や形容詞を名詞に置き換え、かつ特定化する。今回も冒頭の文章を利用する。

語彙力が貧しいためインフォーマルな文章しか書けない。

貧弱な語彙力のためインフォーマルな文章しか書けない。

名詞化で特定するのはそれほど困難ではない。その割にどことなく引き締まった文章に変換することができた。

 

3. 主語の非個人化

無生物主語を用いることで、人称代名詞を排除する。今回の文章では事例を使いにくいので割愛する。

 

4. データによる脱形容詞化

程度を表す形容詞は書き手の主観が介在するため、データを用いて客観的文章にする。ここが自分の中では今回のハイライト。たしかに客観的な文章にすると、幼稚なイメージが排除される。今回は無理くり脱形容詞化を試してみた。

語彙力が圧倒的に足りてないのだ

成人平均の語彙量は45,000 - 50,000語に対して、私の語彙量は40,000語しかないのだ。

語彙推定テスト: こちらのサイトで語彙推定テストを受けられる。

具体的なデータを示すことで、書き手がどれだけ語彙力が少ないかがより正確に掴めるようになる。私の語彙量は平均より5,000語少ないのである。

 

冒頭の文章をまとめてフォーマルな表現に変換

文章を書くのが下手だ。

それは私見を論理立てて表現できないからだと決めつけていたが、他にも原因があることを此のほど察知した。不足している語彙力だ。

成人平均の語彙量は45,000-50,000語あるのに対して、私の語彙量は40,000語に満たない。この貧弱な語彙量のためインフォーマルな表現しかできない。報告書などを後で振り返ると、幼稚な文章に具合が悪くなる程だ。

それゆえ余計に文章を書くのが嫌いになる。当然文章を書く機会が減り、スキルは向上しない。だから下手なままなのである。

微かにではあるがフォーマルな引き締まった文章になったのではないだろうか。これを毎日怠らずに続けることで、誰でも洗練された文章を綴れるようになるし、思考も洗練されるようになるだろう。

コンピュータはなぜ動くのか?

ずっとブラックボックスだったコンピュータについてそろそろ理解してたほうがいいんじゃないかと思ったので、コンピュータがどう動くかについて勉強することにした。

本のタイトルが自分の欲求と完全にマッチングしていたので、この本で勉強することに決めた。

www.amazon.co.jp

早速第一章の重要な点と言葉の意味を忘れないために記載しておく。

 

第一章 コンピュータの3大原則とは

コンピュータを取り扱ううえで絶対的な基礎となることはたった3つだけである。これを「コンピュータの3大原則」と呼ぶことにする。早速紹介しよう。

  1. コンピュータは、入力、演算、出力を行う装置である
  2. プログラムは、命令とデータの集合体である
  3. コンピュータの都合は、人間の感覚と異なる場合がある

現在では高度に複雑化してしまったように思えるコンピュータだが、その基本的な仕組みは驚くほどシンプルであり、初期のコンピュータの時代からは何も変わっていない。だからここで紹介した3大原則を頭に入れて考えると、複雑に見えるものもシンプルに理解できるようになるのだ。

ここからは個々のワードを紹介していく。

コンピュータ:ハードウェアとソフトウェアから構成されている。

ハードウェア:入力、演算、出力を行う装置であり、たくさんの「IC (Interegrated Circuit、集積回路)」から構成されている。個々のICには数多くのピンがついており、入力用または出力用のいずれかである。ICは外部から入力された情報を内部で演算し、その結果を外部に出力する。

ソフトウェア:すなわちプログラム(同じものとして捉えてよい)。命令とデータの集合体。どんな高度で複雑なプログラムであっても、その内容は命令とデータから構成されている。

命令:入力、演算、出力をコンピュータに指示するもの。コンピュータに対する命令を書きならべたものがプログラムである。

プログラミング:プログラムを書きならべる行為。プログラミングでは、ひとかたまりの命令群に名前を付け、「関数」「ステートメント」「メソッド」「サブルーチン」「副プログラム」などと呼ぶことがある。どれも同じ意味であるが、コンピュータ業界では同じことを表すのにさまざまな用語があることが多くある。注意が必要。

データ:命令の対象となる入力情報または命令の結果によって得られる出力情報のこと。プログラミングでは、データに名前を付け、これを「変数」と呼ぶ。

コンピュータの都合:何でも数値で表すこと。すべての情報を数値で表すのである。一般の人がコンピュータを敬遠する原因のひとつである。たとえば、人間は色の情報を「青い」とか「赤い」という言葉で表す。これをコンピュータに置き換えるなら、青色は「0,0,255」、赤色は「255,0,0」、青色と赤色を混ぜた紫色は「255,0,255」のように数値で表されるのだ。

コンピュータが進化を止めない理由:まだ完成の域に達していないから。コンピュータ技術が進化する目的はただ一つ「人間に近づくこと」である。人間に近づくには、コンピュータの都合で人間の感覚に合わなくなっている部分を解消する必要がある。MS-
DOSからWindowsに進化した理由も、二足歩行ロボットをわざわざ開発するのも、すべてはこの目的に近づくためである。ちなみに現状のWindows以上に人間に近いユーザー・インターフェースを目指すことを「ユーザー体験(ユーザー・エクスペリエンス)」と呼ぶ。

プログラミング手法:プログラミング手法にも進化がある。コンポーネント・ベース・プログラミング(Component Based Programming)やオブジェクト指向プログラミング(Object Oriented Programming)と呼ばれるものだ。これも人間がモノづくりをするのと同様の感覚でプログラミングできることを目的とした進化の結果である。

 

本書で紹介されているクイズも記載しておく。

初級問題
Q. ハードウェアとソフトウェアの違いは何ですか?

A. コンピュータ本体、ディスプレイ、キーボードなどのように、目に見える装置となっているものがハードウェア。コンピュータによって実行されるプログラムの命令とデータがソフトウェアである。ソフトウェア自体は目に見えない。

中級問題
Q. 「リンゴ」という文字列は、半角文字で何文字ですか?

A. 4文字。

上級問題
Q. コード(code)とは何ですか?

A. コンピュータで取り扱うために数値化された情報をコードと呼ぶ。コンピュータは、本来数値でない情報であっても、内部的に数値として取り扱う。

生涯学習を求められる世の中になってきた

1月14日版The EconomistのLeaderは、生涯学習について述べている。主張はこうだ。

www.economist.com

学校教育はもはや技術革新のスピードについていけなくなってしまった。その結果生まれるのが機会の不平等。高等教育を受けられる人は、社会構造が変わろうとも新しい要求に応えられるような教育を受けられるが、それが受けられない人はどんどん置いていかれる。自動化技術の発達やAI技術の進化でこの流れはますます加速するだろう。これが続いてしまった場合、政策としてすべての人々が生計を立てる手段を学べる仕組みを構築しなければならない、と警鐘を鳴らしている。

インターネットの登場とともにMOOCSなどの新しい教育のかたちが生まれてきた。安いしネットさえつながれば世界中のどこにいても学問を学べる仕組みである。しかしながら、それらを享受しているのはもともと高等教育を受けてきていた人々に絞られている。

mooc.org

もしこの新しい学び方が教育機会の不平等解消のために一役買うのならば、政府はラディカルにこの教育モデルを広げなければならない。教育の始まりは従来の教育方針を支持する。勉強する方法と考える方法を教える取り組みだ。しかしながら、問題はその先、社会に出てから必要とされる高度なスキルをどう身につけるかである。どんな環境下であろうと社会に出てからも継続して平等に学びの機会を与える仕組みが必要なのだ。シンガポールで試みているVouchers制度を用いてもよいだろう。ライセンス規制の撤廃もNew Comerには好意的に働くだろう。これらの取り組みを国家として取り組み、時代の変化に置いていかれる人を減らすことが求められるのだ。

TOEICの点数を伸ばしたい人に向けて書いてみる

TOEICの点数を伸ばしたい人に向けて、何をすればいいかを書いてみた。

自分の立ち位置を理解する
まず、自分がどの程度のレベルなのかを把握しよう。自分の居場所がどのあたりにいるのかを知らなければ次に進めない。現状と理想とのギャップを把握し、ギャップを埋めるための取り組みを行うことが必要だ。
そのためには、以下のステップを踏んでもらうのがベスト。

  1. TOEIC公式問題集に取り組む。できれば通しの時間を厳密に測って解く。
  2. 答えを見ずにもう一度取り組む。今度は時間は気にせずに解く。

問題を答える際に注意してほしいことがある。以下のステップを踏んでほしい。後ほどの勉強に大変必要となるので、必ず従ってほしい。

○ 完璧にわかったもの
△  なんとなく分かったもの
× 分からなかったもの

こうすることで、どの問題が解けなかったか、その理由は何なのかをあとで確認するためです。足りてないのは、時間なのか、ケアレスミスをしない慎重さなのか、はたまた文法自体を理解していないのかを分別できるのだ。

この作業をやることによって、以下のことを分類できると考えている。

  1. 完全に理解できて正解した問題 一回の復習でOK
  2. なんとなく分かって正解した問題 復習が必要
  3. 理解できなかったけど正解した問題 復習が必要
  4. 理解できなかって間違った問題 
  5. 理解できていてけど間違えた問題(ケアレスミス

点数を上げるということは、これらの間違えを正解に変えることが求められる。だから基本的な方向性としては、自分が間違ったところをいかに正解に変えていくかという方向で進んでいくということを認識しておいて欲しい。

 

具体的な取り組みの説明

腕試しと苦手な部分が理解ができたところで、具体的な勉強方法の説明に移る。

TOEICはリスニングとリーディングの2つのパートに分かれているので、勉強する場合もパートごとにわけていく。具体的にパートを絞って取り組む方がはるかに効率的だからだ。

Listening Section

苦手意識が高いリスニングのパート。リーディングよりも基礎的な力を試される要素が多い。話していることはそんなに難しくないので、聞き取りさえできれば半分はクリアしたようなものと考えてもらって構わない。一方、聞き取りに問題がある場合は、かなりの時間を要する。基礎能力を向上させなければならないからだ。だからこのパートであんまり点数が取れない人はその覚悟を持って欲しい。他方、音は拾えているけど、なんとなく分からないくらいの場合は、比較的楽である。なぜなら問題の傾向に慣れるだけで、かなり点数が上がるからだ。

リスニングパートの点数が250点以下の人、つまり半分も点数が取れてない人は、基礎能力を上げる必要がある。遠回りのようでこれが一番の近道だったりする。ここで身につけたことはTOEIC以外にももちろん効いてくるので、時間はかかるがめげずに頑張ろう。

リスニングができない原因は大きくわけて二つある。音を拾う能力が足りてないか、拾った音を理解できていないかの二つだ。半分以下の人は前者ができていない可能性が極めて高いので、まずこの能力を引き上げる必要がある。後者もハイレベルな英語力を目指す場合は集中的に鍛える必要があるが、TOEICのリスニングパートの点数を上げるためには必要にならないので、今回での説明は割愛させていただく。

音を拾う能力を身につける

シンプルに言うと、1. 英語の発音を理解して、2.英語のスピードになれる、同時並行して 3. 分からない単語や言い回しをを地道に覚えていく。という3つの作業が求められる。

Step 1: 英語の発音の理解。日本語にはない発音が英語にあることを理解しなければならない。そのことを理解するための一番の近道は発音記号の勉強だ。まず発音記号を覚えて個々の発音を自分でできるようにする。発音記号は全部で44個しかないので、比較的簡単に覚えられる。個人的には一番費用対効果が高い学習だと思うので、地味に捉えられるが踏ん張って頑張って欲しい。自分が発せられない音は、聞き取れない。という考えをもとに頑張ろう。

Step 2: 発音記号を理解して、英語独特の発音があることが分かったら、この時点で英語のシャワーを聞くのがよい。勉強する前と後で、聞こえ方が全然違うことに気付くだろう。それでも聞こえないものが出てくる。それはリエゾンといって、単語と単語のつながりによって消える音や新しい音が生まれたりするからだ。それらを理解するには覚えるより慣れるほうがいいと考える。というわけでここで必要になってくる作業が英語のシャワーを浴びることだ。シャワーを浴びるといってもやたらめったらいろんな英語を聞くのではなく、ピンポイントで同じ教材をひたすら聞き込むのだ。自分が内容まで理解している教材をひたすら聞くということが求められる。ここは本当にひたすら地味な作業を淡々と毎日やらないといけないし、効果は現れにくい。でも辛抱して続けて欲しい。もちろん気晴らしに海外ドラマを見たり英語のニュースを聞くのもいいが、この段階でそのことをしてもあまり効果はない。あくまで気晴らしとして活用して欲しい。

Step 3: 英語の音に慣れるということで同時並行してやって欲しいのが、シャドーイングだ。シャドーイングとは影のようについていって繰り返し呟くこと。これをやりこめば英語のリズムに慣れることができる。英語の聞き方が身につけられると同時に、スピーキング力の向上にもつながるから、おすすめの訓練方法。Step 2と同様、ひとつの教材をやりこむことが求められる。Step 2と繰り返しやる。

ここまでくれば、TOEICレベルの英語はほぼ聞き取れるようになるだろう。前述したとおり、TOEICのリスニングパートではそこまで複雑な文章は出てこないから、音が聞き取れるようになればもうこっちのもの。あとは点数を取るテクニックを身につけさえすれば、大幅に点数のアップが見込める。

リスニングパートの点数を上げる

ここからは実際にどのように点数を伸ばすかを説明していく。レベルとしては600, 700点とれる、なんとなく音は聞き取れるけど不正解が多い人を対象に話していく。 

音は拾えるし、何を言っているかも分かるのに間違いが多いという人は、まず問題に慣れよう。問題の内容自体はそんなに難しいものではないので、慣れれば大幅に点数が上がる。慣れ方はこうだ。
Step 1. はじめに解いた公式問題集でわからなかったところを明確にする。
Step 2. その後で、再び同じ問題を解く。それでもわからなかったところがあれば理解に努める。
Step 3. 三たび同じ問題を解く。
Step 4. プラスして合計10回くらいは同じ問題を聞こう。間違えがなくなった時点で問題は解かなくていい。
Step 5. この作業を他の問題でも繰り返す。少なくとも4回くらい繰り返せば問題に慣れたと思っていい。

以上。この作業を根気よく続ければ音の理解→問題に慣れるという目標が達成され、必ずやリスニングパートで350点くらいはとれるようになるでしょう。

 

Reading Section

さてリーディングセッション。リスニングパートよりも抵抗のない人が多いのではないだろうか。これは日本の学校での英語教育のたまものでしょう。リーディングパートもリスニングパートと同様、ある程度の文法基礎能力があれば、問題になれるだけで大幅な点数向上が見込まれる。逆に文法基礎能力が低い場合は、そこから勉強する必要があるので、ある程度の地味な作業と時間を要する。ただリスニングパートでの音を拾う能力と同様、文法知識はTOEIC以外の場合でも必要になる能力なので、これを機に一からやり直すことをおススメする。一方、基礎能力がある程度ある人は、問題の傾向に慣れるだけでよいので、短期間で点数upが可能。900点以上を目指すとなると、間違いが許されなくなるので、重箱の隅をつつく様な問題にも対応できる様かなり多くの語彙力が必要になるがそれ以下を目指す場合は、前述した通り、問題の傾向に慣れるだけでよい。

まずリーディングパートで250点以下をマークしている人に対して説明する。文法の基礎知識が欠如しているので、文法の勉強をしよう。必要です。勉強の仕方は簡単。中学高校までの英語を復習しようちっくな文法本を購入して短期間で仕上げよう。できれば2周して欲しい。2周した後も参考書代わりに手元に置いておこう。これが終わればあとは、問題に慣れるという目標に向けてひたすら時間を費やすのみ。TOEICのリーディングパートは文法穴埋めと長文読解の二つがあるのでそれぞれ分けて説明する。

PART 5, 6

文法知識と語彙が試されるパート。もう気づいているかもしれないが、リスニングの勉強と同じで問題を解く→わからないところを復習→もう一度問題を解くの繰り返しである。3回ほど繰り返したところで、PART 5, 6に絞ったTOEIC強化本をこれまた2周くらいやり込んで欲しい。傾向がわかると同時に文法の勉強にもなるからだ。それが終わった時点で一度新しい公式問題集に取り組む。そして問題を解く→復習→問題を解く。3回くらい繰り返せば慣れるので、自然と点数が上がっている。 

PART 7

ここでは文法や語彙とともに速読力が必要になります。早く読める力と英語を読む体力が求められるので、このパートはとにかく精読と多読の繰り返しが必要になります。文法力はPART 5, 6の勉強で鍛えられるので、ここは本当に繰り返し。

精読→速読 x 4 →精読→速読 x4 のリズムで10回は読みましょう。これやってれば600点まではいくと思います。それからは単語強化と組み合わせることが必要とされる。

TOEICの点数を上げるための具体的な取り組みについて書いてみた。冒頭にも話したとおり、一番大切なのは自分の現状の立ち位置と目標とのギャップを把握して、それを埋めるために取り組むことである。その際には具体的に細かくステップを刻むとよい。この方法を分かっていれば、TOEICでも何でも目標達成がかなうでしょう。

社会で求められるもの

昨今、社会から求められる要求が高くなってきたため、学校の教育だけではその要求にこたえることが難しくなってきた。そんな時代に求められるのが生涯勉強の考え方である。社会に出て働いたとしても、新しい要求にこたえるために、時代の変化についていくために日々学びを続けなければならない。TOEICの点数をあげることを通じて、日々学ぶということを少しでも癖づいてくれる人が増えればなと切に思う。

グーグルがディープマインド社に求めるもの

The Economist12月17日号のBusinessでは、Alphabet社(グーグルの持株会社)が2014年の1月にロンドンにあるArtificial-intelligence (AI)を研究する会社、ディープマインド社を買収した理由を紹介している。

www.economist.com

なぜグーグルはディープマインド社を買収したのだろうか。もちろん魅力があったからだ。一つ目の理由は、人材が確保できるから。グーグルは400人の優秀な情報工学専門家と脳科学者を一気に手にいれた。二つ目は、ブランドネームを得られるから。ディープマインド社は科学分野ではすでに有名であり、この2年でNatureの表紙を2度飾った実績もあった。そんな会社を手に入れることで、化学分野での立ち位置も手に入れることに成功した。

最後は、高い理念と目標に惹かれたから。"Solve Intelligence"がMissionのもと、3人の脳科学者によってディープマインド社は創立された。最終的な目標は人間の脳の再現。これが実現すればグーグルは大喜びである。なぜなら無限のデジタル従業員が手に入るからだ。さらに志半ばでもメリットはある。deep learningの研究に役立つのだ。すでにグーグルのデータセンターを効率的に冷やす方法をdeep learning systemで見つけ出した。deep learningシステムをエネルギーインフラ、ヘルスケアシステム、綺麗な水へのアクセス方法探索などにも応用して、そこから利益を出すプランを立てている。

買収される側にもメリットがある。資金が豊富になったことはもちろんあるが、それ以上に実世界のデータへのアクセス権を手に入れたことである。卓越したプログラミング技術や深い脳科学の知識はAI技術の発展上、欠かせない要素である。しかし実世界へのデータを扱えるようになることも同様に必要だ。そういった生のデータを提供できるのが、グーグルである。しかしながら越えるべき壁もまだ存在する。AI実現のために必要となるデータは、パーソナルな情報である。そういった情報を企業が使えるようになるには、個人の承諾が必要になのだ。もしこの壁を乗り越えることができれば、ディープマインド社にとってのブレークスルーとなり、そのときはグーグルにとって莫大な価値を得られる瞬間となるのだ。