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シマウマ de 考察

シマウマハウスに住んでいます。ゲストハウス、TED、デザイン、コミュニティ、その他いろんなことについて考えたことを書きます。

地球規模の問題に対する建築・コミュニティデザインのアプローチを考えてみる アレハンドロ・アラヴェナのプロジェクト その1

前回紹介させて頂いたイーロン・マスク氏の対談記事を通して、
「デッカい視点でモノゴトを考えることも大事である」という感想を書きました。
でも、地球規模の問題からモノゴトを考え出すと、そもそもがあまりにも大き過ぎて具体的なこと、自分の範囲内でできるようなことに落とし込むことがなかなか難しい。

じゃあ自分の興味のある分野とつなげてみてはどうか?とういことで、今回アレハンドロ・アラヴェナという建築家の考え方、やり方を参考までにみてみることにしました。

アレハンドロ・アラヴェナ

南米・チリを拠点に世界的に活躍する注目の建築家。「単に答えを出すためにではなく、然るべき問いを設定するためにも、十分に時間をかける」という思想の基、従来のアーティスト的な建築家であれば独創性を阻害するものとして排除しがちな「制約と規制」を全て受け入れ、「正しい問い」を設定することから設計を始めている。 

2014年10月TED Talkにて、彼の建築哲学を話しています。


アレハンドロ・アラヴェナ: 私の建築哲学―コミュニティが参加するプロセスを | Talk Video | TED.com

中身をまとめてみます。

 

デザインの力で複雑な問題を解決する

アラヴェナ氏は導入部分でデザインの力を語ります。デザインには複雑な問題をシンプルにする”統合する力(Synthesis)”があるのだと。そしてそれはどんな複雑で大きな問題でも解決することができると。

具体的には、地球規模で問題となっている

1. Cities(都市化)
2. CO2(サステナビリティ
3. Tsunami(自然災害)

を彼がどのようにして解決していくかを、3つのプロジェクトを通して見ていきます。

 

都市化の増大にともなう3つの問題(Scale, Speed, Scarcity)

「今もそうであるが、将来においても都市に移り住む人が増えていく。その一方で、都市という受け皿がその人口増加の規模(Scale)スピード(Speed)対応する手段(Scarcity)の面でますます欠如していくだろう。」とアラヴェナ氏は述べてます。

具体的には、2015年には30億人中の10億人が貧困層であるが、2030年には50億人中20億人がそうなると言われてます。すなわち、都市人口が1週間で100万人増えることになり、仮に平均世帯構成人数が4人とすると、25万世帯が1週間のうちに増加することとなります。貧困層の人々に対して、都市は住居を提供する必要があります。しかしながらその住居設立に要せる資金は多くても1世帯10,000ドルくらいだと言われているそうです。つまり、今後15年で10億人増える貧困層の人々に安価な家を提供しなければならないということです。

 

「ハーフ・ホーム」プロジェクト

そこでこのチリ出身の建築家は、かつて自身が行ったプロジェクトに解があるのではないかと考えました。「ハーフ・ホーム」プロジェクトです。

10年前にチリ北部にあるIquiqueという街で5,000㎡の土地を不法占拠した100世帯に住む場所を与えるというプロジェクトを行いました。助成金10,000ドルで土地の購入、インフラの整備、家屋を建てるという全てを行わなければいけません。都市部のために土地代が高く、選択肢としては小さな部屋に住んでもらうー高層ビルーということになってしまいます。しかし、猛烈な反対を受けてしまいます。

そこで導かれた解決策が半分の家を作るということでした。”小さい家”ではなく”半分の家”と捉えるのです。要するに、一般人が建てるには難しい部分を助成金で建て、残りの簡単な部分は住人自らのお金と労力でまかなってもらうということです。

  • 半分のコストで済ます(規模)
    中産階級での家の面積は80㎡と言われており、10,000ドルでは40㎡の家屋が限界です。しかし、40㎡を家の半分は公的資金で賄い、残り半分の40㎡は住む人自身が建ててもらうようにします。
  • 難しいパートを引き受ける(手段、速度)
    建築デザインの条件を5つ明確にすることで、家を建てる時に困難なほうの部分を公的資金で建てます。そうすることで残りの半分の簡単な部分を住人自身で建てます。実際にこのプロジェクトでは3週間もしなういちに残り半分を作り上げたそうです。

 

コミュニティの力を利用する

「ハーフ・ホーム」プロジェクトでアラヴェナ氏は当事者たち(コミュニティ)の力を利用することによって、不法占拠していた100世帯の限られたリソースで彼らの満足できる住居を提供することに成功しました(半分ですが)。
”人々が自分の手で家を建てる”という力を利用することで、規模、速度、手段の問題に解決したのです。逆に言うと、このコミュニティを利用するアプローチをデザインできなければ、1週間に100万人(25万世帯)という地球規模での都市化問題を解決する術はないのではないのだろうか。と彼は語るのでした。

↓ は今回紹介した「ハーフ・ホーム」プロジェクトで建てられた集合住宅「Quinta Monryo」の特集記事です。実際に住人たちが建てたパートの写真もあります。ユニークで面白いですね。


Quinta Monroy / ELEMENTAL | ArchDaily

 

というわけで、ちょっと長くなってしまったのでその1は終わりです。
まだ3つのプロジェクトの1つ目しか紹介してませんが、ここで一息。

 

ではまた。