シマウマ de 考察

NY駐在4年目サラリーマンが洋書のレビューを中心に書いていきます。最近は生産性を高めることにもハマっていて、脳の働きや睡眠についても研究中。他にもニューヨークで感じたことなどもたまに書いてます。

「自分のアタマで考えよう」にあるちきりんの思考プロセスを推測してみた

自分のアタマで考えよう

自分のアタマで考えよう

 

2011年に発売されたちきりん女史によって書かれた「自分のアタマで考えよう」を再読しました。得るものがかなり多かったので、忘れないうちに書き残しておきます。

この本はちきりん女史が、「考えるってよく分からないな〜」「何から考えたらええの〜」と悩んでいる人、いわゆる考える初心者に向けて書いた本だそうです。
本書の流れを簡単に説明すると、まず考えるとは何か。という説明から入り、自分の頭で考えることと、知っている知識を頭の中から持ってくることの違いを説明してくれています。
次に、実際にいくつかの考えるための方法を身近な具体例を交えて分かりやすく説明してくれています。
最後に、考える材料となる情報をどう集めるのか、そしてどのようにしてストックしておくのか、といった情報に対する向き合い方を分かりやすく教えてくれています。
 
初心者向けということで、かなり基礎的な部分を、ちきりん女史の持ち味である飲み会で友達が話している口調で書かれています。ものすごく平易に書かれているので一見、浅くゆる〜い本だと感じてしまうかもしれませんが、内容はものすごく濃いので、とても得ることが多い本です。

ちきりんの考え方を推測してみる

この本の1番価値のあるところは、あるテーマに対するちきりん女史の考えのプロセスを辿りやすいところにあります。辿りやすい理由は以下に挙げます。
  1. 考えのプロセスを本当に細かく書かれている
  2. 身近なテーマを取り上げている
  3. 分かりやすい口調である
では少しだけちきりん女史の考えるプロセスを辿ってみましょう。ここでは第2章で取り上げられている少子化問題について、ちきりん女史の考え方を書いていきます。とは言うものの、この部分はあくまで私の推測です。ちきりん女史がどんな風に少子化問題に対して考えを出したのかを私が勝手に推測していくだけです。
 
ちきりん女史はこの問題を考えるにあたって、2段階の考えるアプローチを行ってます。
 
アプローチ1 少子化問題の原因は何か?
もともと少子化問題に対して関心があったちきりん女史。彼女が気になったのは、少子化問題の原因について。ここで彼女なりの仮説を立てます。
 
仮説:少子化問題出生率の低下が一番の原因である。
検証:本当だろうか?
 
ここで事実データを用いて仮説の検証に入ります。まず仮説を検証するために必要であろう出生率のデータを集めます。そこでデータの「なぜ?」つまりデータが示している背景を論理的に考えていきます。具体的な方法は本書に書かれているのでここでは割愛。
すると、検証の結果少子化問題の一番の原因は、出生率の低下ではなく、親世代の人口の減少であるとうことが分かります。(出生率という言い方も正式には合計特殊出生率であることも分かる)
つまりこの時点でちきりん女史は、もし少子化問題の対策をするには、親世代の人口を増やす施策が必要であるという見解を持つことになります。
 
アプローチ2 少子化問題を解決する必要があるのか? 
少子化問題の原因が親世代の人口減少にあることがわかりました。ここから次の段階に入ります。「少子化ってそんなに問題なの?」「解決する必要があるの?」ということに主題が移ります。
ここでふたたび仮説を立てます。
 
仮説:少子化問題は食い止めるべき問題である。なぜならば、このままのペースで少子化が進むと、将来的に人口構成バランスが崩壊するから。その結果、労働者世代だけでは高齢者世代を「お金」「人手」の観点から支えることができなくなる。
検証:ここで事実データを用いて仮説の検証に入ります。
 
仮説を検証するために必要であろう人口構成比率の推移が分かるデータを集めます。検証方法は、この場合だと、データに対して「だからなんなの?」とツッコミを入ることになります。なぜならば、今回は人口比率がいびつになる原因よりも、いびつになった先を知りたいからです。ここでも詳しくは本書を参照。
検証の結果、2050年の人口構成の予測値では、60歳以上比率が40%以上となることがわかりました。
こうなるとやはり、仮説の段階で考えていたことが正しいと言うことができるようになります。
具体的には、「お金」に関しては、稼ぐ人口が少なすぎて、稼がない人を扶養できなくなることと、
「人手」に関しては、高齢者の世話をする人手が足りなくなることが起こることの2つです。
さらに付け加えると、少子化問題はこれら2つの問題だけでなく、産業構造の変化や社会の活気の消失などといったさまざまな問題を引き起こすだろうと予測することもできます。
 
この辺りで、ここまでのちきりん女史が考えてきたことをまとめてみると、
1. 少子化問題の原因は、親世代の人口減少にある。
2. 少子化問題が続くと、人口構造がいびつになり、特に「お金」「人手」の問題を引き起こしてしまう。
したがって、少子化の問題を解決すること、つまり親世代の人口現象を食い止めるが必要である。
となりました。

仮説を立てるということ

こういった具合で、ちきりん女史の考えプロセスを実際に辿ることができました。プロセスを辿るのはこのあたりで終わりしておきますが、このプロセスを辿る行為をすることによって、彼女のモノの考える起点がどうなっているかを垣間見れることができました。
・疑問に対して、まず彼女なりの意見を仮説ベースで立てる。
・仮説を立証するためのデータを収集して分析する。
・疑問(興味)→仮説→仮説の立証(情報収集と分析)の繰り返しです。
他の章でも基本的にはこの考え方に沿っていました。(やってみてください)
 
こうしてまとめてみると、あることに気づきます。
「これって“イシューからはじめよ”で言ってた考え方と似てるな~」てことです。
イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

 
この本がうたっているのは、以下のことに集約されます。
1. イシューを考える
2. それからイシューに対して仮説→検証を行う
そうすることで価値のあるアウトプットを生み出すことができるということ。
 
今回、ちきりん著の「自分のアタマで考えよう」の再読を通して、「イシューからはじめよ」との関連性を見つけ出せたのは個人的にはかなり価値のあることでした。さらには、なぜ?だからなんなの?を考える箇所も、年初に読んだ「考える技術・書く技術」ともリンクするところがあったので、その発見も良かった。まあ、どの著者もマッキンゼー出身者だから、同じような考えを提唱しているんだな。ということになるかましれませんが。
考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

 
入門 考える技術・書く技術――日本人のロジカルシンキング実践法

入門 考える技術・書く技術――日本人のロジカルシンキング実践法

 

今回の再読を通して、ちきりん女史の考えるプロセスをクリアにできてかなり良かったなと思います。そして他の書籍とも関連付けて理解を深めることができて良かったです。

 ぜひ、皆様にもこの「著者の考えるプロセスを推測する」こと行い、自分のアタマで考える制度を高めてみてください。 

ちきりん流・思考の11のルールを勝手にグルーピング

最後に、ちきりん流思考11のルールを勝手にグルーピングしてみました。
この方が自分の中の記憶に残りやすいので。
 
イシューを決めて、仮説(決めるプロセス)を立てる
・最初に考えるべき「決めるプロセス」
・判断基準はシンプルが一番
 
論理的に組み立てて、分析する
論理的組み立て
・「なぜ?」「だからなんなの?」と問うこと
・あらゆる可能性を検討しよう
・レベルを揃えて考えよう
 
分析
・縦と横に比べてみよう
・グラフの使い方が「思考の生産性」を左右する
 
情報の集め方、保管の仕方
・情報ではなく「フィルター」が大事
・データはトコトン追い詰めよう
・知識は「思考の棚」に整理しよう
 
最後までお付き合いありがとうございまいした。