シマウマ de 考察

海外駐在5年目突入のリーマンが書くブログ。最近はThe Economistの記事を中心に書いてます。

Airbnbの今後の展開が楽しみ

このブログでも紹介したAirbnbが200億ドル(日本円でいうおよそ2兆円)の資金調達ができそうな段階であるというニュースを目にして凄いなと思ったので。

Airbnbはユニークな宿泊施設を予約・掲載・発見できるソーシャルネットワーキングサービス。

一般の人の住んでいる家の空き部屋に宿泊できるところがユニークな点です。

今やUberと並ぶシェアリング・エコノミーの先陣を切るサービスとなってます。


Airbnb、評価額200億ドルの大型調達ラウンドを準備中 - TechCrunch

 

ちょこっと違和感のある訳文なので、原文も載せておきます↓

Airbnb Is Raising A Monster Round At A $20B Valuation | TechCrunch

 

何が凄いかっていうと、個人的には以下の2点。

 

1. 設立してから時間が経っていないところ(2008年に設立)

一つ目は、設立から間もないのにこれほどまでにサービスが大きくなった点です。

Airbnbの成り立ちについて、分かりやすく面白い動画を見つけたのでシェアリングします。

全部英語ですが、、、


How AirBnB Started - YouTube

 

分かりやすいインフォグラフィックスまでありました。

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思い立ってから行動に移すまでの速さが印象的です!!

 

2. 固定費用の少ないビジネスモデルにも関わらず資金を獲得できそうなところ

このビジネスの強みは、固定費用が少ないところにあります。

宿泊業は、固定費用の負担がかなり大きなネックになっています。具体的には、家賃とサービスを維持するための人件費です。およそ6割くらい。しかし、このAirbnbサービスの凄いところは、それらの大きなコストは当事者、つまりサービスを使う人々に負担してもらえるところなのです。それは本来の宿泊業なら多くのし掛かるであろう固定費の負担が少なく済むのです。むしろ家賃やサービスを維持する人件費はタダの可能性まであります。

Airbnbという会社にかかるコストとしては、おそらく、サイト運営費、販促費、損害賠償費などでしょうか。

そんな彼らが新たに資金を調達できることが凄いところなのです。明らかに、何かにしらに投資をするんでしょうね。
今後Airbnbが新しい展開を巻き起こすんじゃないかと期待してます。

 

日本での広がりについて

190カ国以上の国で累計3,000万人以上に使われているAirbnbサービスですが、
個人的な意見としては、このサービスは日本ではそこまで広く普及しないと考えています。
理由としては、以下の3つを挙げる。

1. 日本人は英語が苦手だから

このサービスの最も多いゲストユーザーとされるのは、日本の場合は、日本国外からの旅行者であると考えています。したがって、ホスト側には英語もしくはそれ以外の言語の対応が求められます。

しかしながら、悲しいことに日本人の大半は英語に対しての苦手意識が強いのです。東京などの都心ではなく、地方に行けばそれはもっと顕著であります。その結果、海外からの旅行者がAirbnbを通して、いわゆる古き良き日本家屋を求めたとしても、その需要に答えられるホスト側の数が圧倒的に少なくなってしまうのです。

2. 日本にはウチとソトの文化があるから

ウチとソト。昔っぽい考えであると思われがちですが、意外と今の若者にもこの考えは多いです。身内や友達には親密に接するが、そうでない人々とは冷たいというよりも無関心な状態を保ちます。電車に乗っていたらそれは顕著に見られますね。

また、家族以外の人といっしょに暮らす経験をしない人も他国と比べて圧倒的に多いと考えてます。そういった人々は、家という”ウチ”なる環境に”ソト”の人を招き入れたくないと思うことが多いと判断できます。そのような理由からホスト側、つまり空き部屋供給者が他国に比べて少なくなると予測しています。

3. Airbnb自体が日本に投資しないから

そもそもAirbnb自体が日本の市場に目を向けていない可能性が高いんです。AirbnbのCTOであるNathan氏は、米国、豪州に続くターゲット地域としてアジアを挙げていました。が、アジアと言ってもシンガポールタイ王国インドネシアといったを国を指しているんです。結果として、日本にそこまで力を注力してサービスを普及させないのではなかろうかと思っています。

 

というわけで、飛ぶ鳥を落とす勢いのAirbnbの今後の展開にかなり期待しています。でもその一方で、日本ではそこまでサービスが普及しないんだろうな〜と思う今日この頃でした。