Homo Deusが面白い
20万年前から地球に登場したホモ・サピエンスが3つの革命を経て地球を支配するようになった。今に至るまでの大きなテーマであった飢饉、疫病、戦争も科学進化や資本主義などの新たなエコシステムを生み出すことで乗り越えようとしている。ではこれからは先の未来において、ホモ・サピエンスという種族はどのように進化していくのだろうか?というのがこの本の大きなテーマ。
イスラエル出身の歴史学者であるハラリ氏であるが、歴史・考古学の分野以外にもコンピュータ・サイエンスや生物学、脳科学、遺伝、経済学などさまざまな分野に幅広く触れながら彼なりの洞察を説明している本。前作のサピエンスも含めて、今の世界の成り立ちを歴史の事実よりも広い視点で述べられているのがとても面白いし刺激的である。
特に興味深かったのは、宗教の話である。日本人が宗教と聞くと、少し後ずさりをしてしまうが、世界のマジョリティは今でも根強く宗教を信仰している。その宗教についての彼の観点がものすごく惹かれた。これを読んだ後に、再度歴史の勉強をすると、かなり違った視点で歴史的に起こった事実を鑑みることができるのではないだろうか。
ホモ・デウスの副題はA Brief Histry of Tomorrowであるが、何も未来のことだけでなく、今現在において世界で何が起こっているのか、それがなぜ起こっているのかを理解できる。ここで得た知識を自分の中に落とし込んで、今後の生きる糧としたい。