シマウマ de 考察

海外駐在5年目突入のリーマンが書くブログ。最近はThe Economistの記事を中心に書いてます。

1分で話すことに慣れれば自然とロジカルになる

英語で自分の意見を主張できるようになる。そのために必要な能力は2つある。ひとつは英語で文章を構築する力、もうひとつは文章を論理的に構築する力。たまには後者も意識的に伸ばさないとな、ということでこの本を手にとった。

「伝える力を世界で一番簡単に習得できることを目指している」と冒頭で筆者が伝えているように、本当にシンプルで分かりやすく「伝える技術」をどう習得するのかが書かれている。習得とあるように、具体的な方法も書かれているのも特徴。ただ、文章が分かりやすすぎるため、スラスラ読めてしまい、結果として記憶の定着にならない恐れがあるので、この本を読んだ方は、ぜひともノートにまとめて実践に活かしてほしい。以下にポイントとなる部分を簡単に説明しておく。


・人はあなたの話の80%は聞いていない
・聞き手をイメージせよ
・結論+根拠+たとえばで考える癖をつけよ

 

人はあなたの話の80%は聞いていない
人は他人の話の80%は聞いていないと筆者は言う。序章にあるこの部分が、かなりインパクトがあった。実際にそうだと思う。人の話はほとんど聞いていない、聞いていたとしても覚えてない。たとえば、小学校の朝礼の話なんて全く聞いてなかったし、対面している相手の話さえ聞いていない時がある。だからこそ、簡潔に分かりやすく伝える必要があるというのが筆者の見解。そこからくるのが「1分で話せ」ということだ。常にこの意識(人は話を聞いてないから、できるだけ短く1分くらいで話せ)を持っておけば、提案するときや、人に何かを説明する際に、劇的に分かりやすい話ができるようになるだろう。

 

聞き手をイメージすること
伝えるためには、相手をイメージすることが大切である。”イメージ”という言葉がポイント。単にステータスをなぞるのだけでなく、その人になりきってみて、どんなことを聞きたいのかということを具体的に想像するくらいまで熱心にやると効果が高くなる。具体的こんなことから考えていくとい想像しやすい。
・どういう立場にいるのか
・どんなことに興味があるのか
・どんなことをこのプレゼンに求めているのか
・専門的な要素にどのくらい理解できるか
聞き手になりきるぐらいまでイメージすることで、伝えるポイントが明確になる。それは結果として伝え手の作業効率も上がるので、このプロセスを省く理由がないのである。

 

結論+根拠+たとえば
この3点セットを考えておくと、伝わりやすい話し方ができる。コツはピラミッドで考えを整理すること。ピラミッドの頂点が結論(主張)。結論の根拠がピラミッドを支える下部にくる。そしてその根拠をそれぞれ補足するように具体例を加えていけば、結論+根拠+たとえばの3点セットが完成。このとき主張はもちろん、根拠も短くシンプルなほうがよい。ここで長くなってしまうと、聞き手が話についてこれなくなってしまう。詳しく説明する、相手にわかってもらう瞬間は、具体例の説明を出すとき、くらいのスタンスがベター。


以上の3つを意識して凝縮すると「1分で話せ」ということになるのだ。このコアとなる1分をしっかり詰めることに全力を注げ。このコアとなる1分を補強するために残りの時間は使え。というのが本書の強いメッセージ。常に心がけておきたい。