シマウマ de 考察

海外駐在5年目突入のリーマンが書くブログ。最近はThe Economistの記事を中心に書いてます。

皇室で進む少子高齢問題

アメリカ人の友人に日本の皇室のことで質問を受けた。しかし説明をしようにも、頭の中で漠然としか理解していないので、言葉が出てこない。正直に言うと、そのときは天皇陛下皇位を継承なさる正確な日さえ分からずにいた。そんな自分に少し恥ずかしくなってしまったため、皇室のことについてネットで調べてみた。今後外国人に皇室について説明する機会があるかもしれない人に向けて、調べたことを文章に残しておく。

2019年4月30日に現天皇陛下である明仁(Akihito)様が、現皇太子様である徳仁(Naruhito)様に皇位を継承される。それに伴い日本の元号も平成から新しい元号に変わる。元号とは特定の年代に付けられる称号のことで、明治元年以来一世一元、つまり天皇陛下ひとりにひとつの元号とすることに決められた。もちろん日本では元号とともに西暦も普段から使われている。

今回の皇位継承は、生前退位のかたちとなる。従来のルールであれば、天皇陛下がお亡くなりになられてから皇位継承が行われるのが普通であるが、今回は特例で生前退位が認められることとなった。齢84歳(2018年5月現在)であり、前立腺がんや心臓バイパス手術をご経験された陛下の健康状態を鑑みて、今後も引き続き公務を行うのが難しいと判断されたからである。

明仁様は公務に熱心に取り組んでこられたことで有名。年間約1,000件の書類に目を通して署名・捺印するだけでなく、宮中内外の各種行事におよそ200回以上出席され、20件近くの祭儀を精力的に執り行ってこられたという。このように国民のために真摯に公務に取り組んでこられた陛下の「おことば」を聞いてしまうと、内閣府も国民も認めざるを得なかったのだろう。このようなわけで、2019年5月1日に皇位継承順位第一位である徳仁様(57歳)が皇位を継がれることに決まったのである。

この様子は海外のニュースにも取り上げられた。英The Economistでは、さらに今後の君主制度存続の危機にも触れている。

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現行の皇室典範では、皇族資格、皇位継承資格が嫡出子(正室の子)の男系に限定されており、現在皇位継承の資格があるものは徳仁様を除けば3人のみになる - 現天皇陛下の弟君にあたる正仁様(82歳)、 徳仁様の弟君にあたる秋篠宮文仁様(52歳)、そして秋篠宮文仁様の第一男子である悠仁様(11歳)。ご年齢を考えると、事実上徳仁様の跡を継げるのは悠仁様に限定される。悠仁様に皇族の運命が委ねられていると言っても過言ではないのだ。皇位継承資格者の不足という問題を解決するために、史上前例のない女系天皇を容認すべきか否か、皇位継承について定める「皇室典範」を改正すべきか否か、皇位継承順位をどのように定めるべきかということに関心が置かれている。というのが記事の内容。

徳仁様は今回の即位で126代目の天皇陛下になられる。BC 660から2600年以上続いた世界最古の皇族の血が、今後どのようになっていくのかに世界中から注目が寄せられている。

皇室典範日本国憲法第2条および第5条に基づき、皇位継承および摂政に関する事項を中心に規律した皇室に関する法律