シマウマ de 考察

海外駐在5年目突入のリーマンが書くブログ。最近はThe Economistの記事を中心に書いてます。

パレオダイエットを取り入れて加工食品を絶つ

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ダイエットに失敗する原因は何だろうか?

理由は単純。ダイエットをするのに負荷がかかるから。負荷がかかるから短期間しか続けられないし、短期間しか続かないからダイエットをやめたときにリバンドがくる。結果、ダイエットに失敗となる。

ある研究では、少なくとも1年間ダイエットを続けないと長期的な効果は得られないと証明している。また身体に負荷をかけてしまうことで、体内でコルチゾールという物質を分泌する。それが脳や細胞に悪影響を与え、ストレスの原因となってしまう。つまり、負荷のかかるダイエットはオススメできない。

したがって、本当に必要としているのは、精神的、身体的に負荷の少ない、一生つづけられるダイエットである。そしてこれを実現できるのが今回紹介する「パレオダイエット」である。 

一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書

一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書

 

パレオダイエットは、ここのところ、アメリカやヨーロッパでもっとも人気の高い健康法のひとつである。「パレオ」は「旧石器時代の」を意味する「パレオリシック」の略。つまり、パレオダイエットとは、旧石器時代の食事法を現代にも取り入れようというものだ。

具体的には「食」「寝」「動」を無理のない範囲で改善するだけ。本記事ではパレオダイエットの概要と、その中で個人的にとくにインパクトの大きかった「食」の改善についての、具体的な取り組み方法について説明する。もっと詳しく知ってみたいという方には、「パレオな男」のブログで有名なYu Suzuki氏著の「パレオダイエットの教科書」を手に入れて読み込んで欲しい。

 

パレオダイエットの概要

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旧石器時代の食事法を取り入れたものがパレオダイエットであると説明したが、より正確に言うと、旧石器時代の狩猟採取型の食事法を参考にした現代風の食事法となる。

基本的には、旧石器時代に食べられていたものだけを食べようというもので、狩猟採取型の食事を参考にする理由は、その方が健康的と考えられているからだ。
 

なぜ狩猟民族の食生活が健康なのか?

人類が誕生した旧石器時代はおよそ260万年前に始まり、1万年前の農業改革により終わりを迎えた。つまり人類は長きにわたって、木ノ実や根菜を集め、動物や魚を狩りながら生活する狩猟採集生活を行なっていたということになる。

このことから、人間の身体はおもに旧石器時代の環境でうまく働くように進化してきたと考えられ、ならばこの原始時代の生活を参考にしたら、人間の持つポテンシャルを引き出せるんじゃなかろうか、という考えが「パレオダイエット」のベースになっている。
 

科学的根拠は?

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実際、狩猟民族には肥満体の人はいなかったし、もちろん彼らは現代病と言われる糖尿病や、がんとは無縁だった。しかも、日中の疲れはその日に回復するし、鬱などのメンタルの問題もなかったと言われている。

彼らの生活習慣に最初に注目し、ダイエット法として昇華したのがメルボルン大学の研究チームであり、今から約30年前のことだと言う。その効果はピッツバーグ大の研究チームや、2015年に行われたコクラン共同研究など多くの科学者によって立証されている。
 

加工食品を食べない、ただそれだけ。

パレオダイエットのルールは実に簡単。旧石器時代に食べられていたであろうものを食べようというものだ。逆に言うと、その時代には存在し得なかったものは食べてはいけないということでもある。

具体的に何を食べてはいけないかというと、筆頭にあげられるのが加工食品。冷凍食品やコンビニ弁当、スナック菓子、ファーストフードなど誰もが日常的にお世話になっているものがそれにあたる。

ではなぜ加工食品を避けるのか、それは我々の身体にある体重管理システム「セットポイント」に関係している。

セットポイントとは?

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本来、人間の身体は、生まれつき太らないようにできている。これは遺伝子に組み込まれている「セットポイント」が働くからである。このセットポイントが正常に働けば、仮に食べ過ぎたとしても、その摂取カロリーに応じて代謝が上がり、結果的に体重がコントロールされるのである。これにはレプチンという物質が影響しており、これが脳に作用して食欲を減らすホルモンを分泌し、体重の急激な増減を防ぐのである。

ところが,この体重管理システムにエラーが生じると、我々の体はそれとは逆の方向に向かう。つまり、どれだけ食べても空腹感がおさまらない一方で、そのくせ代謝は大幅に下がってしまい、どんどん体脂肪は燃えにくくなる。この悪循環に入ってしまうと、なかなか体重は減らなくなってしまう。

このセットポイントにエラーをもたらす最大の原因が加工食品ということなのだ。加工食品には、消費者に継続的に購買させるための最先端の現代科学が詰め込まれている。その研究の賜物が、消費者のセットポイントを狂わせ、中毒性を高めるのである。

結果、加工食品を食べる→セットポイントのエラーが発生→加工食品の継続購入→セットポイントのエラー、という無限ループに入ってしまうというわけだ。

加工食品を絶って健康になろう

そんなわけで、パレオダイエットではとりあえず加工食品をやめることをオススメしている。そうすれば自然と食べる量が減り、その結果体重も減っていくというわけだ。

身体も軽くなるし、それに伴いココロも軽くなる。これに加えて本書で紹介されている「寝」や「動」を組み合わせれば、期待している以上に身体の調子が良くなるし、脳も活性化する。ただすべてをいきなり同時に行うにはハードルが高いかもしれないので、とりあえずは1番簡単で続けやすい方法である、「加工食品を極力食べない」を実践して、セットポイントを取り戻してみてはいかがだろう?