シマウマ de 考察

海外駐在5年目突入のリーマンが書くブログ。最近はThe Economistの記事を中心に書いてます。

効果的なシャドーイングするための5つのステップ

f:id:TAC-0008:20180606024111j:plain

英語を学ぶ上で、まず取り組まなければならないのが、正しい発音方法と文法の基礎を身につけることだ。

発音の習得といっても最初は単語レベルで正しい音が発声できる程度よい。具体的には発音記号を見て音を再現できるレベルだ。
文法の基礎は、一般的には高校生レベルの力が必要と言われているが、これには賛成。「わかりやすい」というタイトルの文法書を3周高速でまわせば、一旦は文法のそれでOKとしてしまってよい。

この2つは英語を身につける上での基礎となるので、真っ先に取り組むことをオススメする。一定のレベルまで引き上げておくと、今後の英語学習がすごく楽になるからだ。

ある程度のレベルまでこれら2つのスキルを高められたという自信が着いたら、次のフェーズに進もう。第2フェーズで身につけてほしいスキルは文単位での発音。フェーズ1で身につけた単語レベルの発音習得ではなく、文レベルでの発音習得に取り組んで欲しい。この勉強・練習を続けることで、以下のポイントが強化される。

・英語のリズム
・英語の強弱
リエゾン 

リズム、強弱、リエゾンが身につくと何がいいか?

当たり前のことであるが、自分が話す英語がよりきれいになる。そうなると、かっこいい英語が話せて気持ち良くなるだけじゃなくて、相手にとって聞き取りやすい英語を話すことになるので、外国人とのコミュニケーションが一段と取りやすくなるのだ。

さらに文単位での英語のリズムを身につけていると、リスニングの力も上がる。リズムに合わせて英語を聞く体勢が整うので、どの言葉を拾えばいいか分かるからだ。リエゾンについての理解も深まるのでも、勉強前と比較してびっくりするぐらい聞き取りやすくなっている自分に気がつくだろう。

それに加えて、リーディングも格段にやりやすくなる。実はほとんどの人は、リーディング中に頭の中で文や単語を発音している。これをサブボーカリゼーションと言う。分単位での正しい発音や正しいリズムで話すことを身につけていると、当然このサブボーカリゼーションをしているときにも、正しい音とリズムが再現される。これは結果的に文字を読むスピート向上にもつながるし、理解度さえも向上することがあるのだ。

文単位での発音の習得に取り組むことで、こんなに多くのメリットが得られる。そして、この習得にかなりオススメなのが、これから紹介するシャドーイングである。

シャドーイングとは?

シャドーイングとは、音声を聞いた後に即座に復唱することである。外国語(第二言語)習得においてスピーキング能力の向上だけでなく、リスニング能力を高める効果があることで有名。通訳の人たちはこれを繰り返しやって、通訳に必要なスキルを磨いているだとか。

シャドーイングは、話者の発現をそのまま再現するので、単に音読する場合より、より口調などの模倣を忠実に行うことができる。つまり、これを繰り返し行い、自分の脳や筋肉に一連の動きを覚えさせることができれば、話者の口調をそっくり身につけることができるのである。英語のネイティブスピーカーを話者に選択すると、要するに、ネイティブの話す英語のリズム、強弱、リエゾンを身に付けられるということだ。

シャドーイングの本はたくさん出ているし、ネットで検索すればたくさんの方法が紹介されているが、ここでは私が経験した中で最も効果が出やすと感じたやり方を紹介しておくので、もしやり方に迷っているようであれば試してみて欲しい。

  1. 興味のある題材を選ぶ

    何度も繰り返し聞くことになるので、飽きないものがいい。好きなハリウッドスターや海外で活躍するスポーツアスリートのインタビュー動画をYoutubeで検索するのがオススメ。できれば3 - 5分くらいの短い動画で、クリアに話されているものがいいが、丁度いい題材がなければぶっちゃけなんでもいい。とりあえず試してみることが大切である。
  2. 「本気で」聞く
    何のヒントもなしに、「本気で」5回くらい聞いてみる。本気というのは、聞くことだけに全身全霊をかけて集中するという意味。話されていることの全てを頭に刷り込む気持ちで聞いて欲しい。むしろそうしないと意味がない。ながらでやってたら効果は全くと言っていいほどでないので、絶対にNG。
  3. テキストを確認する
    Youtubeで題材を見つけた場合、多くの動画はCaptionがあるはずなので、それを書きとってほしい。読んでも理解できない箇所がある場合は、辞書なり文法書を用いて不明点を全部クリアにしておくことが大事。話していることの意味を理解するのがここのステップで大事なこと。
  4. シャドーイングする
    ここでようやくシャドーイングに挑戦する。聞こえたものをそっくりそのまま繰り返そう。片耳だけにイヤホンをつけながら発声すると、動画の音と自分の声の両方が聞き取りやすくなる。とにかく慣れるまでやること。50回でも100回でも何回でもいいので、シャドーイングしまくることが大事だ。
  5. Extra. 要点をまとめて、1分で説明する
    これはExtraな作業。時間と心に余裕がある人だけ取り組んで欲しいのが、動画の内容の要約と、要約したものを人に説明することだ。これをすることでスピーキング力の向上につながるし、動画で話されていた言い回しなどを自分のモノにできる。人と話すトピックとしても使えるので、ぜひともトライしてみてほしい。せっかくここまで練習した題材なので、シャドーイングだけで終わらせるのはもったいない。

スポーツの練習も筋トレもそうであるように、シャドーイングも正しいやり方でやらなければ効果は出ない。だからやり方を学び、しっかり準備してから、繰り返し取り組んでみて欲しい。

シャドーイングで超オススメな教材はこちら。一から丁寧に説明してくれているし、扱う例題も「生」で話されているものが多く選ばれているので、初心者から上級者まで役に立つ。

究極の英語学習法K/H System (入門編)

究極の英語学習法K/H System (入門編)