シマウマ de 考察

NY駐在4年目サラリーマンが洋書のレビューを中心に書いていきます。最近は生産性を高めることにもハマっていて、脳の働きや睡眠についても研究中。他にもニューヨークで感じたことなどもたまに書いてます。

わかりやすい説明のコツは伝える順番にあった:一番伝わる説明の順番

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「相手が理解しやすいように順序立てして説明する」というのが説明を上手にするための一つの要素であるということは前回もお伝えしたが、 この「順序立て」で躓いてしまうことが少ないくない。

shimauma-house.hatenablog.com

 

そこで手に取ったのが本書である。

一番伝わる説明の順番

一番伝わる説明の順番

 

 

本記事の構成


説明はコミュニケーション(情報伝達)

わかりやすい説明のカギは「説明はコミュニケーション(情報伝達)である」ということを理解することにある、と本書は主張する。したがって説明をする際には「相手の頭を整理しながら伝える」ということが必要になる。これを実現するのに「説明の順番」を意識することが欠かせない、と言うのが本書のテーマ。

では「説明の順番」をどう決めればいいのか?

本記事ではその点に絞って明らかにしていく。

 

わかりやすい説明の順番

相手の頭を整理できる説明の順番に組み立てる。以下の通りに順番を並べると、聞き手の理解が高くなる。

  1. 前提・範囲をそろえる
    前提とは、話す内容についての聞き手の知識レベルである。つまり、前提をそろえるとは、これから話す内容に対する、聞き手との知識レベルのギャップを埋めるため作業なのだ。とはいっても、具体的にどうすればいいのか?本書でオススメしているのは、「小・中学生に説明するぐらいのつもりで話す」というもの。
    それに加えて「話の範囲」を揃えることも大切になる。今回はどこまで深く掘り下げて伝えるかということも話しておくと、相手の理解がスムーズになる。

  2. 結論・主張・本質
    結論・主張・本質を一言で伝える。説明を受けた聞き手に何らかのアクションを求める場合は、先に「期待する行動」も伝えておくと聞き手は楽になる。
    本質を伝えるとは「その事象をうまく表した一言」のことを言う。枕詞で書くとイメージしやすくなる。「要するに、つまり、一言で言うと、端的に言えば、シンプルに言えば、すなわち」というように、一言で要約した言葉で表すことである。

  3. 根拠・理由・事実
    前提をそろえて、結論や主張を一言で伝えることができたら、次にそれを支える根拠や理由、事実を伝える。ここでのポイントは3つ。
    ・これから理由を伝えることを示す:EX.(主張は)OOです。その理由は、、、
    ・理由を3つに絞る:EX. その理由は3つあります。、、、
    ・理由や根拠は客観的事実で構築する:数字やデータを用いる
    ここが客観的事実でなく主観的思想になってしまうと、聞き手は腑に落ちない状態になる。つまり、聞き手の納得感を高めるには、どれだけ事実を調べられるかにかかっているのだ。

  4. 補足情報
    主に「根拠の根拠」や「根拠を補足する背景」といった類がここに当てはまる。ただし、根拠や理由は多すぎても意味がない、むしろ混乱を招きかねないので、注意が必要。

  5. 結論・相手に促したいアクション
    最後にもう一度、結論や主張を伝える。これで完結。

 

具体的な状況を想起させるキーワードで、結論を一言にまとめる

結論は一言。とは言うものの、一言への集約は簡単ではない。抽象的すぎると薄っぺらなものになってしまうし、かといって具体的すぎると一言に収まらなくなる。

たとえば、次の話がある。

週末に彼女と新宿駅で待ち合わせして、白いロマンスカーVSE)に乗って、ガンダムみたいだね、と盛り上がったあとで、車内で景色を見ながらビールで乾杯して、箱根湯本で川沿いを10分ほど上流に歩いた店で蕎麦を食べてから、ケーブルカーで強羅に行く途中、彫刻の森美術館で足湯に入りながらシャンパン飲んでから、強羅温泉で一泊し、翌日はロープウェイで大涌谷を経由して芦ノ湖の海賊船に乗り、その後、バスで箱根湯本に移動し、ロマンスカーで帰ってきました。 

この話を要約すると「週末に旅行に行った」という感じになってしまうことが多い。これでは具体性がなくなり、抽象的な情報になってしまう。要約としては最悪レベル。

同じ文章量でサマライズするとしたら「彼女と箱根旅行」とか、あるいはもっと思い切って「ロマンスカーで生ビール」にすべきである、と本書は指摘する。

ポイントは「具体的な状況をイメージさせるキーワードを選んだまとめを作る」こと。具体的な情景が思い浮かぶキーワードを選んで、相手にイメージを想起させる要約でないと伝わらない。

仕事の例でいうと「発注業務の効率性が向上」や「在庫量を最適化」というのは要注意。こういった仕事の改善活動のサマリーであれば具体的な「HOW」に踏み込んで説明する方が望ましい。

今回の例でいうと「推奨値の提示、発注対象外商品の非表示機能等により、高効率な発注業務の実現」くらいまで説明すべきなのである。

まとめ

本記事では、伝わる説明をするための順序を立てる方法を解説し、一言で結論を述べるためのコツを紹介した。 

本書では、物事を説明する力に主眼を置いているが、その裏側には「考え方を、考える」という思想が流れている、と著者は語る。

たしかに、人にわかりやすく説明する行為は、そもそもは相手に伝わりやすくするために行う行為であるが、それとともに自分の思考を整理できる行為である、ということが本書を通して気づいた点でもある。これからも本書の方法を用いてどんどん人に説明し、思考をシャープにしていければと思う。