シマウマ de 考察

シマウマハウスに住んでいます。ゲストハウス、TED、デザイン、コミュニティ、その他いろんなことについて考えたことを書きます。

星野リゾートから学ぶ「ミッションの作り方」

 

ミッションはどうやって作ったらいいのか?

 

「すべての創造は模倣から出発する。そして創造が真の意味の創造であるためには、その創造のための模倣が、創造的模倣でなければならない」
by 池田満寿夫『模倣と創造 : 偏見のなかの日本現代美術』

ということで、今回は星野リゾートの事例に創造的模倣をやろうではないか。

 

星野リゾートとは?
株式会社星野リゾート(ほしのリゾート)は、本社を長野県北佐久郡軽井沢町におく総合リゾート運営会社。経営不振に陥ったリゾート施設や旅館の再生で知られる。 by Wikipedia

 

星野リゾートは近年、特徴のある運営・経営スタイルで著しい成長を遂げており、
苦境に立たされている観光リゾート業界で成功を収めている数少ない企業である。

一言で言うと、やや斜陽気味の観光業界でユニークな取り組を行うことで成長している企業。

彼らが成功している要因を、彼らが掲げるミッションから紐解いてみる。

 

ミッション

「日本の観光産業をヤバくする」

以下 株式会社星野リゾート代表取締役 星野佳路 インタビュー記事抜粋させて頂く。
http://www.business-plus.net/special/1008/158801.shtml?i=re

星野リゾートも、初めは 「日本の観光の競争力を高めて地域経済に貢献しよう云々」 といったコピーを考えていました。しかし、書いていて 「企業のミッションって、誰に説明するものだろう?」 と、ふと思いました。ミッションって、お客様にフロントでご説明するものではありませんし、金融機関にプレゼンするわけでもありませんし、圧倒的にリクルーティングに使う言葉ですよね。学生や、これから星野リゾートに就職してもらえるかもしれない人たちに対して、星野リゾートはどういうミッションを持っている企業なのかを説明するためのものなんです。

そこでリクルーティング担当が言うには、「日本の観光産業に貢献しよう」 なんてのは若い人に受けない、こんなのはジジくさくてダメだ、と(笑)。 では、中身は変えず、彼らにも伝わるようにシンプルに言うとどうなるか? そこで出てきたのが、「日本の観光をヤバくする」 という表現でした。”

 

要するに、用いるワードをターゲットに伝えやすいようにデザインし直したということ。
志の方向性は全然変わってないが、確かに印象が変わっているのが実感できる。
ちなみに”ヤバい”というワードはスキーやスノーボードをしている若者が多用しているのを耳にして、星野さん自身が「コレだ」と思ったのだという。

ついでにビジョンについても見ておく。

 

ビジョン

「リゾート運営の達人になる」

 

日本の観光業は海外と比較して競争力がない。という問題認識があり、
大きな原因の一つとして、日本の観光業のビジネスモデルに問題があると指摘しているのが星野さん。
近年大きな発展を遂げた海外リゾート業は「所有」「運営」を切り分けることによって成功を収めるようになった。
星野リゾートでは、「運営」に特化することによって、自身の競争力を高めるだけでなく、
「所有」「運営」を分離させるストリームを作り上げ、最終的に日本の観光産業の競争力を高めたいという野望を持っているのである。

立派なミッションとビジョン。
筋も通っているし、何よりも夢があるのが素晴らしい。

 

”ヤバくする”ということ
企業のあるべき論組や事業戦略を見ていくと、ミッションに用いている”ヤバくする”が、ひとつのブレない指針となっていることが分かる。

例えば、究極のフラットさを組織のあるべき姿として置いている点。
星野リゾートの目指す姿として、「言いたいことを言える環境をキープする」といことがある。
なぜならば、人々の議論を歓迎してるから。議論の先により良いものが生まれると信じているから。
ひとつのモノゴトを決める際に、ある一人が独裁権を持って決めることを良しとしない。
コンフリクト=生きた言葉の争いを通して素晴らしいものが生み出せると考えている。
”ヤバくする”という言葉は生きた言葉であって、ミッションに通じることがあると実感した。

 

店舗のコンセプトを決める際にも”ヤバくする”という言葉が生きている。
三重県の「タラサ志摩ホテル&リゾート」の例でよく分かる。
タラソテラピーというサービスを提供するのが強みであるが、テラピーとなると「癒し」「リラクゼーション」というイメージが先行してしまう。
だけど、それだといわゆるありきたりな言葉となってしまって、埋もれてしまう。
そこで練り上げたコンセプトが「海エナジーをチャージする」だった。
休みのではなく、がっつりエネルギーの補給。
生きている言葉を使っているし、新しい感覚ぶっとんだ感じがヤバい。

 

コンセプトを決める際に徹底していることが2つあり、1つが、若者の「エッジ」を大事にするということ。もう1つが、現場レベルの声を吸い上げること。
「エッジ」を大事にする理由は、もちろん”ヤバさ”を追求したいから。
「現場の声」を大事にしているのは、現場の方が共感力が半端なく強いからである。
このぶれない考えがあるから、今のユニークでエッジの効いたリゾートサービスが提供できているのだ。

 

星野リゾートからの学び

星野さんにはそもそもの使命があった「日本の観光産業に貢献する」
伝えたい人は誰なのか、何のために伝えるのかを深く問いただすことで、「日本の観光産業をヤバくする」というものに変えた。
ターゲットにクールに伝わるようになっただけでなく、自分たちの取り組みに対してもユニークさを作り上げる根元となった。
つまり、ミッションを考えるときには伝えたい相手によって、言葉のチョイスを変えようということ。そうすることで、自分たちの強みも鋭利になってくるということ。

 

株式会社星野リゾート企業HP
http://hoshinoresort.com/#home

株式会社星野リゾート企業採用HP
http://recruit.hoshinoresort.com/