シマウマ de 考察

海外駐在5年目突入のリーマンが書くブログ。最近はThe Economistの記事を中心に書いてます。

考えておきたい日本の移民問題

「Japanese schools are struggling with foreign pupils」の画像検索結果

2019年12月12日号のThe EconomistのAsiaのカテゴリーで、日本の外国人労働者の子供に対して行う教育について話がされていた。

https://www.economist.com/asia/2019/12/12/japanese-schools-are-struggling-with-foreign-pupils

ここ数年海外から労働力として日本にやってくる移民が増えているが、その移民たちと一緒にやってくる子供たちに対する教育の仕組みや、それを実現するリソースが十分でないということを伝えている。

日本に外国人労働者が増えてきたのは、国の政策である。深刻な人材不足が嘆かれている業種に対してであれば外国人に日本での就労を認める条件を緩和するように法を改正したのだ。改正されたのが2019年4月1日のことである。猫の手でも借りたいほど困窮している企業には良いニュースであるが、そのしわ寄せを受けているのが、先に述べた移民の子供たちだ。日本人の子供でさえ学ぶのが難しい漢字を、言語のバックグラウンドが全くない外国人のこどもが学ぶとなれば、そのハードさはとてつもないだろう。教える側もまたしかりである。

このような問題に対して今まで政府は全く取り組んで来なかった。現場の市町村・学校に丸投げ状態。しかしながら、2019年6月になってようやく日本語教育を行う責任の所在についても政府や地方自治体が負うようになった。加えて外国人労働者を雇う企業にも、実際の労働者のみではなく、その家族にも日本語教育をしなければならないという義務が設けられた。

だがしかし、これらの取り組みでは何も変わらないだろうと予測する識者は多い。なぜなら現・安部首相の考えでは、この新しいビザでやってくる外国人は永年移民者ではなく、あくまで一過性の労働力の穴を埋めるリソースでしかないのだ。このビザでやってくる外国人を「移民」ではなく「労働力」としか見なしていないのだ。彼だけでなく、これと同じ考えを持った人々が日本には他にも無数にいると考えるので、このマインドセットを変えることができない限りは、今後も日本にやってくる外国人労働者やその子供たち対して行われる教育も変わることはないだろう。

 

 

久々に書いた記事のテーマがやや重すぎた感があるが、興味深いテーマだったし、日本人が知っておくべき実情なのかと。やや日本にダメバイアスをかけようとしている魂胆が見える記事ではあったが。海外の人間から見た景色はこれと相違ないように感じる。 

さて、この外国人労働者を単なる労働力と見なす問題をどう解決するか?

解決には段階を踏んで行う必要がある。まず日本の国力(経済力)が衰えている事実を知るべき国民が知るべき。超少子高齢社会である日本では、近い将来は内需の拡大は期待できないし、かといって「Made in Japan」パワーで海外にモノを今までのように輸出するのも難しい。であるゆえに、これからは海外からお金を落としてもらうことを考えるべき。そういう意味では政府が打ち出した目標、日本に超ラグジュアリーなホテルを建設する、というものは理にはかなっている。だから、日本国民に、日本に来てもらうのってありがたいんです、ってマインドになってもらう必要があるのだ。そのために日本の経済的な面での将来性がよくないことを知るべきなのだ。

また移民の子供に行う教育においては、そもそも日本語を教えるのではなく英語を教えていくように切り替えていけばよい。インターナショナルスクールみたいな感じで。さらに、日本人の子供も日本語で授業を受ける学校か、英語で授業を受ける学校かを選べるようにすればよい。一定の割合で幼い頃から子供に英語力を身につけて欲しいと考える親も増えるだろうから、そうなってくると日本人の英語力も伸長する。これで国力も上がるはず。

少子高齢の問題は長期的に取り組まないといけない問題なので、それに付随したかたちで発生する日本移民問題もこの先ずっと存在していく。だからすべてを政府に任せきりにするのではなく、問題に対して自分の頭で考えることが大事なんだと思う。

 

覚えておきたい事柄
・日本の外国人登録者数 124,000人。2014年から30%up。
・日本語レッスン数は51,000回
・40%の地方自治体は外国人家庭に学校入学の仕組みを教えていない。
・2019年4月1日に外国人材受け入れ拡大に向けた在留資格「特定技能」制度がスタート

 

使っていきたい英語表現
・derive from
・as a part of the program called “
・it marks a 30% rise from 2014
・meant to lure blue-collar workers into industries
・make up more than half of all those teaching Japanese to foreign pupils
・Whether the immigrant children can receive the education they need also depends on
・in place with
・tackle the problem

 

覚えておきたい単語
・pupil: (発音チェック)
・remedial: 補習の
・200-hour crash course
・fend: 避ける
・municipality: (発音チェック)
・lay out the responsibility: 責任を定める
transient worker: 一時的な