シマウマ de 考察

海外駐在5年目突入のリーマンが書くブログ。最近はThe Economistの記事を中心に書いてます。

大量の文章を書いて考えを整理する

英語で意見がスラスラ言えない

アメリカに住んでもーすぐ3年が経つ。しかしながら英語のレベルが渡米前に想定していたレベルに達していない。3年も生活していれば相手の話していることはほぼ聞き取れるし、自分の言いたいことも淀みなく言えるようになる。そんな淡い期待を持っていたのだが、現実はそんなに甘くはなかった。

特にスピーキングにまだまだ感が強い。なぜ話せないのか。ということを改めて考えてみる「自分の考えが整理できてないから」話せないのではないかという結論に至った。

すごく当たり前のように聞こえるが、この考えは、自分の中では納得感がものすごくあった。もちろん英語のセンテンスを即座に作る能力だとかっていう純粋な英語力も必要になるが、それと同時に、「自分の頭で考え、意見を構築し、言葉としてアウトプットする力」が圧倒的に足りていない。だから、英語で意見をスラスラ言えないのだ。つまりは、問題は英語力だけでなく、主張力が乏しいからなのである。

ではその主張力を鍛えるにはどうするのがいいか。その解はシンプル。主張するというアウトプットの量を増やすことだ。そしてアウトプットしたものにフィードバックをかけて次に活かす。これを繰り返し行えば、アウトプットの質が高まり、主張力が身につく。その結果、英語での意見がはっきり言えるようになるのである。

アウトプットの方法は2つある。話すことと、書くこと。しかし考えてみてほしい。話すことと書くことでは圧倒的に書くことの方が簡単な作業なのだ。なぜなら、書く作業では、時間に余裕があるからだ。話す場合は、瞬間瞬間で文章を構築しなければならないが、書く場合は文章構築に好きなだけ時間を使える。書いたものを振り返ることができるというメリットもある。

How to Write a Lot: A Practical Guide to Productive Academic Writing (LifeTools: Books for the General Public)

How to Write a Lot: A Practical Guide to Productive Academic Writing (LifeTools: Books for the General Public)

 

そんなわけで書くアウトプットをどんどん増やそうと思った今日この頃であるが、そんな自分に最適な本を見つけた。心理学の研究者Paul J. Silvia, PhD著の「How to Write a Lot」という本で、書くことに困っている研究者向けに書かれている。実際、研究者向けに書かれているChapterも存在するが、大事なエッセンスは一般人にも当てはまるので、書くというアウトプットを増やしたい人にはオススメである。

筆者の言いたいことはとてもシンプル。書く量を増やすには、書く行為を1日のスケジュール割り当てることである、と著者は言う。ここで重要なのは「書く時間を見つける」のではなく「書く時間を割り当てる」ということだ。著者曰く、時間を探したっていつになっても見つからない。だから事前にスケジュールに組み込んでしまうことが求められる。筆者がオススメしているのは朝の30分、書く時間を割り当てることだ。

これを達成するためのコツもいくつか教えてくれているのがこの本の素晴らしいところ。ひとつは、明確なゴールを持つこと。なぜ書く量を増やしたいのか?何について書きたいのか?を明確にし、その明確にしたゴールを活字にして表すこと。そうすることで毎日書くことへのモチベーションが保てるのだ。もう一つは、フィードバックの仕組みを作ること。自分がどれだけ書いたのか、ということを具体的な数値で振り返ることができると、モチベーションにつながるのだ。他にも、スモールゴールの設定や、実際に筆者が導入しているモニタリングの方法の説明など、かなり実践的な方法を教えてくれているので、すぐに行動に移しやすい。それが筆者の目的なんだろうけど。

よくある「どうやって分かりやすく論理的に書くか」の内容ではなくタイトル通り「どうやって大量に書くか」に重きをおいている点が他の本と差別化されていてな面白い。特に筆者が、「書くことはハードな作業であり、たとえ大量に書けるようになったとしてもそのハードさが消えることはない」と言っていたのが印象的。つまりは、書く作業はハードな作業として工夫して取り組まないといけないのだ。これは最近読んだ「How to Read a Book」で言っている「本を読むことは、複雑な知的作業である」と少し似ている。要するに、日常生活で自然に身につけた行為、つまり書くことや読むこと、もっと言うと歩くこと、走ることや呼吸もそうであるが、そういった行為はできてるようで、実は上手にはできてない。だからそういった行為に対して、簡単ではないと言う認識を持ち、基本から学んでいくことが必要なのである。

この本で好きなフレーズは、「Clear writing requires clear thinking」。直訳すると、「明瞭な文を書くには、明瞭な思考を必要とする」となる。自分が文章を書きたいと思った理由が、思考を整理したかったから、ということなので、その考えに一致することが書かれているこの本を手にとって良かったと思う。多くのものを書きたい人、考えを整理したい人、自分の意見を言いたい人にオススメの本であるが、残念ながら洋書しかない。ただ、ページ数も150ページほどだし、平易な単語で分かりやすく書かれているので、英語の勉強も兼ねると思って、ぜひとも手にとって読んでもらいたい。

Homo Deusが面白い

https://images.gr-assets.com/books/1468760805l/31138556.jpg

20万年前から地球に登場したホモ・サピエンスが3つの革命を経て地球を支配するようになった。今に至るまでの大きなテーマであった飢饉、疫病、戦争も科学進化や資本主義などの新たなエコシステムを生み出すことで乗り越えようとしている。ではこれからは先の未来において、ホモ・サピエンスという種族はどのように進化していくのだろうか?というのがこの本の大きなテーマ。

イスラエル出身の歴史学者であるハラリ氏であるが、歴史・考古学の分野以外にもコンピュータ・サイエンスや生物学、脳科学、遺伝、経済学などさまざまな分野に幅広く触れながら彼なりの洞察を説明している本。前作のサピエンスも含めて、今の世界の成り立ちを歴史の事実よりも広い視点で述べられているのがとても面白いし刺激的である。

特に興味深かったのは、宗教の話である。日本人が宗教と聞くと、少し後ずさりをしてしまうが、世界のマジョリティは今でも根強く宗教を信仰している。その宗教についての彼の観点がものすごく惹かれた。これを読んだ後に、再度歴史の勉強をすると、かなり違った視点で歴史的に起こった事実を鑑みることができるのではないだろうか。

ホモ・デウスの副題はA Brief Histry of Tomorrowであるが、何も未来のことだけでなく、今現在において世界で何が起こっているのか、それがなぜ起こっているのかを理解できる。ここで得た知識を自分の中に落とし込んで、今後の生きる糧としたい。

https://www.amazon.co.jp/Homo-Deus-Brief-History-Tomorrow/dp/0062464310/ref=tmm_hrd_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=&sr=

How to Write a Lotに従おうと思う。

How to Write a Lotという本を読んでいる。

どんな本かというと、Writingが上手になるには、こんなことが書かれている。
1. 書く時間を増やすこと 2. その時間を効率よく使うこと 
至極シンプルな解決策であるが、その通りでしかない。

www.amazon.com

書くという行為は、一番行いやすいアウトプットではないだろうか?頭の中で考えることは文字通りアウトプットされていない、インサイドでの行為である。
話すことはどうだろ?話すことはもちろんアウトプットである。しかしながら難易度は書くことよりも上がるように思う。一瞬で話す内容を考えなくてはならないし、話したことをあとで確認できないからだ。そんなわけで、話すことって行為自体のハードルは低いが、実は質の高いアウトプットを行うのは非常に難しいのである。そんなわけで、書くという行為が一番難易度が低いわけであるし、そういったわけで、書く行為くらいはできておきたいと切に思うのだ。

そんなわけで、この本を手に取ったし、本の言いなりとなって、どんどん書いて行こうと思うのである。

日本人とタトゥー

f:id:TAC-0008:20180214001120j:plain

今回は2月10日号のThe EconomistAsiaから日本の温泉事情について取り上げられていたので、そちらを解説する。

www.economist.com

体にタトゥーを入れている人を禁止している温泉が日本には多いが、外国人観光客が増えて行くにつれてその慣例を変えて行くべきかどうかという話。2013年のマオリ族の訴えをきっかけに日本の観光庁が「禁止を緩和することを検討してほしい」との呼びかけがされたそうだが、2015年時点でも半分をゆうに超える温泉・銭湯業者はタトゥーが身体に入っている人の来客を拒んでいるとのことのが実情。果たしてスポーツの祭典である東京オリンピックのときにはどのような対応するのか???

表現
日本人が連想するタトゥーの説明をクリアにしていたので抜粋する。
In Japan tattoos are associated with criminals. Many yakuza mobsters spend hundreds of hours under an inky gun having their entire bodies painted, as a sign of gang membership and to show they can endure pain.

語彙
・quandary = 困惑、当惑、板挟み
・haunt = 出没する
・brothel = 売春宿
・thug = a violent person, especially a criminal
・plaster = (この場合は)タトゥーを隠すために身体に貼るもの
・abstain = 避ける、棄権する
・indigenous = 土着の、原産の、[ある土地・国]固有の
・fume = 憤慨する、いらいらする

注釈
・Thermae-yu spa: テルマー湯。新宿歌舞伎町にある温泉。通常入館2,400円とやや高い。
・Tatto: かつての日本ではヤクザの象徴。温泉だけでなく、ジム、プールなどでも入館はお断りしているところが多い。
・29m visitors: 2017年の外国人訪日顧客数は2,900万人。2013年の3倍。黒田バズーカによる円安とビザの緩和が要因。2020年の目標は4,000万人。
・the Japan Tourism Agency (JTA): 観光庁
・Maori: マオリ族アオテアロアニュージーランド)にイギリス人が入植する前に先住していた人々。身体装飾としてタトゥーを顔や全身に入れている。あいさつとして互いの鼻をくっつけ合う。

デジタル医療についてThe Economistが語ること

f:id:TAC-0008:20180213002546j:plain

これからは頻繁に、The Economistで面白い記事を取り上げて簡単な解説をしようと考えている。解説と言っても記事の詳細を翻訳するのでなく、記事の書かれている単語の意味や、話されている文章自体の背景の説明に重きを置いていくつもりである。この記事を読んで頂いてから、実際の記事を読むと理解がしやすくなるというイメージで書いている。つまり本記事は、国際情勢を知りたいのみの人向けではなく、どちらかと言うと「英語勉強も兼ねて国際情勢を知るためにThe Economistを読みたい、でもいまいち理解できなくて困っている」という日本人のために書かれている。すごくニッチなところを攻めているのだ。

www.economist.com

記念すべき第一回目に取り上げるのはテック業界でも話題になっているデジタル医療の話。2月3日号のThe EconomistではLeaderのトップ記事に、テクノロジーの発達で急激に実用化が進むデジタル医療について取り上げている。Leader以外にもBusiness欄で軽く特集されていたので、今回はそちらの記事を簡単に解説する。

冒頭でも伝えている通り、トピックはDigital Health。”Tech Giant”と言われる超巨大IT企業がヘルスケア事業に進出して来たって話を詳しく解説してくれている。その結果、一般消費者に質の高い診断の提供や低コストの提供が実現できるようになるとのこと。
本誌の流れは、Apple, Amazon, Google, Facebook, Microsoftなどの錚々たる企業がプレーヤーとしてヘルスケア市場に乗り出してくるが、その中ではAppleが最終的に勝つのではと推察している。鍵を握るのは、セキュリティとiPhoneだとか。
実は10年ほど前にもヘルスケア事業の進出を試みたことはあったが、その当時は普及せずに終わる。しかし、あれから10年経った今、爆発的にスマートフォンが普及したこともあり、今回は普及する可能性が高くなる見込み。普及しすぎると”独占”という目で見られるので、それはそれで苦労する部分も出てくることも予想される。今回の特集では、各社のサービスや特徴を順に説明してくれているので、将来の医療のカタチが想像しやすくなる。iPhoneがメディカル媒体になる話とか。最近のテクノロジーの話は夢がある。夢があるから資金が流入するんだろうな。

さて本記事のタイトルは「Surgical intervention」であった。これを直訳すると外科の介入となるが、おそらく意味合いとしては外科 = 外部であり、もともと畑の違う(外部)のテック企業がヘルスケア事業に進出してきたという意味なのだろう。こんな感じでちょっとひねりのあるタイトルがThe Economistの特徴でもある。


各社のサービスについて
Apple: 1/24、次回のソフトウェアアップデートでHealth appを標準アプリにすると発表。 ただAppleのアプローチ方法はよりハードウェアのサプライに強化している。医療系ハードウェアのプラットフォームデバイスを提供してソフトは第三者に提供してもらう戦略を取る。そんなわけでiPhoneはかなりの強みとなる。
Amazon: 1/30、Berkshire HathawayとJP Morgan Chaseとともに非営利ヘルスケア企業を設立。3社の従業員向けのサービスからスタート。対象者は100万人に及ぶ。医者のアポイントを取るのがものすごく簡単になるようなアプリを作成するとの噂も。まずは自社従業員に試してそこからスケールする見立て。
・Alphabet (Google): 3つ目となるCityblock Healthというヘルスケア企業を設立。同じくAlphabet傘下のVerilyとDeepMinde Healthと連携して展開していく。ヘルスケアのプロをサービス対象者の自宅に派遣するサービス。低所得者層に向けて行われる。NHSと提携してStreamsというサービスを提供。

語彙
・Surgical = 外科の、外科手術用の
・be poised to = ~する構えができて to do
・sphere = 範囲、領域分野
・foray into = [敵地を]急襲すること
・incumbent = having an official position
・undeterred by = くじけない、懲りない、阻止されない
・indispensable = 欠くことのできない、不可欠な
・prolong = to make something last longer
・disrupt = to make it difficult for something to continue in the normal way
・diabetes = 糖尿病 EX)Diabetes is common in Japan among people over 50 - about one in every four people.
・straightforward = 簡単な
・immensely = 非常に
・accelerometer = 加速度計
・arrhythmia = 不整脈
・envisage = (将来のことを)心に描く、予測する = envision
・electrocardiogram = 心電図
・tinker = to make small changes to something in order to repair or imporve it, especially in a way that may not be helpful.
・blood oxygenation = 血液酸素
・inexorable = 変えられない、防げない
・dog = (of a problem or bad luck) to cause you trouble for a long time

注釈
・tech giant: The Economistで良く使われる表現。AppleAmazonといったIT系巨大企業のことを指す。
Apple: Revenue $215bn (2016)。時価総額は世界1位の$ 859兆ドル。ちなみにトヨタ自動車は$ 205兆ドルで世界第43位。
Amazon: Revenue $ 134bn (2016)。時価総額は世界4位の$ 699兆ドル
・Alphabet: Revenue $ 90bn (2016)。Google及びグループ企業の持ち株会社として2015年に設立。時価総額は世界2位の$ 817兆ドル
・Berkshire Hathaway Inc,:ウォーレンバフェットがオーナー兼CEOの米投資ファンド時価総額は世界で第7位の$ 530兆ドル。長期投資スタイルを基本とする。長者番付では1986年以降毎年ベスト10に入り続けている。
・JP Morgan Chase:米国NYに本社を置く銀行持ち株会社時価総額は世界第10位の$ 401兆ドル。
・Verily: Alphabet傘下の会社。ライフサイエンス事業を担当。2015年に12月にGoogle Life Scienceから改名。
・DeepMind: 正式名はDeepMind Technologies Limited。英国で人工知能を研究する企業として2010年に創立。2014年にGoogleに買収される。当時、売上や利益は出していなかったが、その保有する技術や人財の価値を買われた。2015年にDeepMind社が開発したAlphaGoのプログラムがプロ棋士に勝利したことで一躍注目を浴びることとなった。
・Calico: 2013年9月にバイオテック研究開発企業としてGoogleとArthur D. Levinsonの共同出資によって設立される。"California Life Company"の頭文字をとってCalicoと呼ぶ。
・National Health Service(NHS):イギリスの国営医療サービス事業。イギリス国家の約25%が投入されている。
Facebook: Revenue $ 23bn (2016)。時価総額は世界5位の$ 543兆ドル
Microsoft: Revenue $ 85bn (2016)。時価総額は世界3位の$ 731兆ドル
・Health careの市場はGDPの10分の1と言われている。全世界で$ 7trn (2015)の大きさ。
・UnitedHealth Group: Revenue $ 185bn (2016)
CVS Health: Revenue $ 178bn (2016)
パーキンソン病:手の震え、動作や歩行の困難など、運動障害を示す、進行性の神経変性疾患。特に65歳以上の割合が高い。日本では難病指定。
・Medicaid(メディケイド):アメリカ合衆国連邦政府の公的医療保険制度の一つ。もうひとつの公的医療保険制度であるメディケアと共に、1965年に創設された。
 主に低所得者・身体障碍者に対して用意された公的医療制度。費用負担は州と連邦政府
・glucose:グルコースブドウ糖世界保健機関必須医薬品モデル・リストに入っている。甘いを意味するギリシア語由来のフランス語からきている。 -oseは炭水化物を示す化学分類辞。

News peak - 2017年、世界で最も注目を浴びたトピックは?

f:id:TAC-0008:20180105035942j:plain

今回も12/23版のThe Economistより。2017年に最も読まれたトピックの記事を調査した結果を紹介しているので、その内容を紹介する。情報提供は、Chartbeatというニューヨークを拠点にした調査会社から。なんでも、全世界50カ国で8,000社以上ある出版社がWeb上に出している記事に対して、読み手がどれだけの時間を費やしたかをカテゴリー別に調査したそうだ。読み手の半分は英語圏に住む人々、1/4が欧州圏に住む人々で、残りがその他の国という割合(この中の日本の割合は1%もないんだろうな〜)。ここで表しているチャートは300万ある記事 - 総数25億ワード数 - からこの一年で最もインパクトのあるカテゴリーを選りすぐったもので構成されている。

www.economist.com

一番目につくのはやはりトランプ大統領絡みの記事。彼は2017年で最も注目された人間なのではないだろうか。個人的に興味のあった記事、Brexitカタルーニャ独立問題などに関してはそこまでバズッた感じはない。災害やテロのインパクトもとてつもなくあることを改めて実感。一つのイベントとして捉えるとトランプ大統領よりもはるかに多くの人が注目している。
日本人として気になるは2つ。まず、日本の選挙についてはほぼ注目を浴びているデータが出なかったこと。日本人としてはすこし寂しい事実ではある(このトピックに挙げられているだけでも喜ばしいことか、、、)。
そしてそれ以上に気になったのが、International affairsについて世界から多くの関心を向けられている事実である。おそらく日本人のマジョリティはこれらの記事に目を向けてはいないのではないだろうか?仮に自分が今も日本で暮らしていた場合は、こんな記事を読むこともなかっただろうと思う。では、そういった問題を知ったところでどうなるの?と言われれば論理的に答えられないが、それでも知っておいた方がいいのではないかと感じる。そんなわけで世界に発信されている英語での情報を英語で理解できる能力は持っておきたいと思うのである。今年はたくさんの情報に触れていこう。

Chartbeat社のHPはこちら。

chartbeat.com

 

原油の世界をインフォグラフィックで理解する

f:id:TAC-0008:20180105020508p:plain

12月23日版のThe EconomistにBarrel特集が掲載されていた。原油には価値がある。ということは何となく理解しているが、なぜ価値があるのか?言い換えると、どういう過程を踏んで世の中に供給されているのか?ということを全く理解していない自分には今回の特集が非常に読み応えがあったので、ここで共有しておくことにする。原油から我々が目にするコモディティへ変換する流れがわかるインフォグラフィックには嫉妬してしまうほどわかりやすかったのも印象的。

www.economist.com

簡単に言語化する。
原油を常圧蒸留(Atmospheric distillation)すると、まずLPG(Liquefied Petroleum Gas)が抽出できる。LPガスやらプロパンガスと言われているもの。
さらに温度を上げるとナフサ(本記事ではエチレン。日本ではエチレンよりナフサがメインのようだ)が抽出、この原料が服やプラスチックのもととなる石油化学原料と呼ばれる。さらに温度をあげると、車の燃料でおなじみのガソリン。ケロシン(灯油)、ディーゼル
ここから減圧蒸留(Vacuum distillation)という別の方法で不純物を採っていき、一部はLPGやガソリンなどとして再活用できるものもあるが、さらに温度を上げていく。ここから抽出できるものはすべて重油と呼ばれる。まずは潤滑油(Lubrication oil)とWaxe、コークス(Coke)、燃料油(Fuel oil)、最後の残油としてアスファルトが残る。

原油は想像していた以上に奥が深い。採掘できる原油それぞれに特徴があったり、埋蔵量と生産量の違いがあったり、原油をもとに国家間で政治的に複雑に絡み合ったり。何はともあれ、世界の情勢を知る上で切っても切り離せない要素のひとつであることが改めて理解できた。

下記は参考資料

www.foc.co.jp

imazeki-shokai.com