シマウマ de 考察

海外駐在5年目突入のリーマンが書くブログ。最近はThe Economistの記事を中心に書いてます。

第1部書く技術 はじめに まとめ

ビジネスパーソンの悩み

わかりやすい文章を書きたいけど、なかなかうまく書けない。
そのくせ、仕事では文章を書く作業が多すぎる。なんとまあ、厄介で仕方ない。
そんな人が多いのではなかろうか?

 

わかりにくい原因は「文体」が問題なのか?

「ひとつひとつの文章を簡潔かつ直接的に書き、それらをつなぎ合わせれば自然とわかりやすい文章になるはず」と思い込んでいる人がもしかしたらいるのではないだろうか?

実は、ここで言及している考えは「文体」の問題を矯正しているだけなのである。

文章がわかりにくくなる原因は大きく分けて2つあると言われている。

ひとつが上記で説明した「文体」の問題。確かにこの問題を矯正することでわかりやすい文章に近づくことはできる。ただ「文体」の問題を矯正するには多大なる努力を継続して行わなければ効果は出ないのである。タイピングや外国言語の学習に近い。多忙なビジネスマンともなれば、とてつもなく大変な鍛錬となるのだ。

その一方、もうひとつの原因はこの「文体」の問題を矯正するよりもはるかに簡単に短時間で矯正することができるのだ。こちらから取り掛かるに越したことはない。

それは一体何なのか?

 

正しい文書の「構成」とは?

正体は、文書の「構成」に関係する問題である。

書いたものがわかりにくくなってしまうのは、多くの場合、書き手による考えの並べ方が、読み手の頭の中の理解プロセスとうまくかみ合っていないことが原因となっているのだ。

読み手にとって最もわかりやすいのは、まず主たる大きな考えを受け取り、そのあとにそのおお気な考えを構成する小さな考えを受け取るという並べ方である。だから書く側も、その理解プロセスに則り、主たる考えをまず頂点に書き出し、それをより小さな考えのグループが下で支えるというピラミッド型に考えを並べてやると良いのだ。

要するに、書き手は読み手の理解プロセスに迎合してあげればいいということなのだ。

 

ピラミッド型を用いる利点は?

ピラミッド型に構成すれば、読み手とのコミュニケーションは非常に楽になる。まず頂上から始め、徐々にピラミッドの下に移っていけばいいだけなのだから。主たる考えをまず述べることで、読み手はなぜそういう考えとなるのか書き手に対して疑問を持つことになる。そこで一段ピラミッドを下りることで、疑問に答えていけばいいのだ。このQ&Aプロセスを繰り返せば、書き手は読み手に対してすべての考えを伝えることができるのだ。

さらに言えることは、自分の考えをピラミッド構造に組み立てようとする作業は、自分が何を考えているかをはっきり意識できる作業でもあるのだ。人は何かの考えをはっきりとさせるには、なんらかの形で、たとえば声に出してみるとか書き留めるなどの形で、考えを具体化しなけらばならないのである。ピラミッドに構成する作業自体がその具体化を必要とするため、結果として自分の考えをよりはっきりさせることができるのだ。

 

第1部の流れ

第1部では、まずなぜピラミッド構造が読み手にとって最も受け入れやすいものなのかを学びます。次に、ピラミッドを構成する各部分がどのような論理関係を構築しているのかを理解し、文書を書く場合にはどんな考えをどのように構成すべきかについて学んでいきます。また、文章の導入句のあり方についても分析を加え、演繹的論理と帰納的論理の基本に触れ、その論理アプローチの混乱を取り除きます。

第1部が終わる頃には、どうすれば自分の考えをピラミッド構造に構成することができるのか、その基礎を理解することができるようになります。